知っておいてほしい!インプラント除去が必要なケースやその理由、方法、およびコストについて

日野市にある日野新町歯科医院 院長の飯嶋です。

私は、患者様にできるだけ負担の少ない治療を提供しており、
他医院ではあまりおこなっていないような、ヒューマンブリッジ・3DRといった最新の治療を提供しております。

【参考データ】
失った歯を取り戻す。体へ負担のすくない治療 ヒューマンブリッジ
詳細はこちら

ヒューマンブリッジ 症例
詳細はこちら

歯の失われた部分に噛む機能を戻すための主な治療法は、入れ歯、ブリッジ、またはインプラントです。
これらの中でもインプラントは、装着感が少なく、審美性や機能面でも強く噛むことも可能なため、優れた治療です。

しかし、インプラントの治療後に除去が必要となるリスクがあるため、
治療を受ける前に、しっかりと認識・考慮することが重要です。

●インプラント治療の概要
インプラント治療の手順を簡単に説明します。まず、人工歯根(インプラント体)を顎骨に埋め込みます。
固定されたら、結合部品(アバットメント)と上部構造(被せ物)を取り付けます。
顎の骨が不足している場合は、骨を作る手術も併せて行います。

治療期間は、インプラント体の埋入から上部構造の取り付けまで、数ヶ月から1年ほど必要です。
また、インプラント治療は基本的に保険対象外であり、1本のインプラントを埋め込むための費用は約20~40万円です。

●インプラントを取り外す必要が生じる理由
インプラントは高機能であるものの、場合によっては、治療後に除去するリスクがあります。
主な理由は、インプラント周囲炎、インプラント体の損傷、体内への迷入、神経麻痺、金属アレルギーなどです。

それぞれの理由について詳しく説明します。

・インプラント周囲炎
最も一般的なインプラントの除去理由は、インプラント周囲炎です。
これは、埋め込んだインプラント体の周囲の組織で発生する炎症疾患です。

・インプラント周囲炎の原因
インプラント周囲炎の主な発生原因は、清掃が不十分な場合や
メンテナンスが不足して細菌感染を引き起こしたり、過度な負荷がインプラント体にかかるなどです。

治療の際に、医師は適切なインプラント体の選択と詳細な治療計画が必要で、
治療後のメンテナンスの重要性を患者に理解してもらう必要があります。
患者は、定期的に歯科医院で診察とメンテナンスを受け、
インプラント治療部位の清潔さを保つことが重要です。

・インプラント周囲炎の症状
インプラント周囲炎が発生すると、インプラント体を支える顎の骨の吸収が進行し、
インプラント体の固定が弱くなり、物を噛むときに揺れることがあります。骨吸収の進行度により、
歯科医院での回復が不可能になることもあり、インプラントを除去する必要が出てきます。

なお、骨吸収を伴わない炎症は、インプラント周囲粘膜炎と区別され、
インプラントの固定には少ない影響があります。
インプラント部分に何か異常を感じたら、早期に歯科医師に相談ください。

・インプラント体の破損
インプラント周囲炎だけでなく、インプラント体が破損した場合もインプラントの除去が必要となります。
インプラント体は、チタン合金などの強度の高い金属で作られており、
その形状や表面処理は体内で長期間力を受け続けても耐えられるよう設計されています。

しかし、耐久性に優れたインプラント体であっても、何十年も経つと少しずつ劣化し、
破損する可能性があります。破損したインプラント体を放置すると、
インプラント周囲炎や咬合不良などのリスクが生じますので、
そのような場合にはインプラントを取り外す必要があります。

・インプラント体の体内進入
上の奥歯部分に近接している上顎洞という鼻腔(空間)は、顎の骨が薄いため、
インプラント治療を行う際には、骨を生成する手術が同時に必要となることがあります。
この領域にインプラント体を埋め込むと、
稀にインプラント体が上顎洞側へ移動し、鼻腔内に入り込むことがあります。

この状況は「インプラント体の体内進入」と呼ばれ、
このような状況では一度インプラントを取り出す必要があります。
体内進入した場合、鼻から膿が出る、違和感があるなどの症状が現れることがあるので、
何かしらの自覚症状がある場合は、
直ちに治療を行った歯科医院または耳鼻咽喉科にご相談されることをお勧めします。

・神経の麻痺
顔には数多くの神経が走っています。

口周辺もその例外ではなく、治療を行う際には神経を傷つけないよう医師は注意を払わなければなりません。
特に、下顎に伸びている下歯槽神経は歯根の近くを通っており、
親知らずの抜歯を行うと、約2%の確率で治療後に下唇の感覚麻痺を引き起こす可能性があるとされています。

インプラント治療でも、下顎にインプラント体を埋め込む際は神経を損傷しないよう、
特別な注意が必要です。それでも神経が損傷してしまった場合、
感覚麻痺が確認されれば、インプラントを取り出して神経の治療を行う必要があります。

・金属アレルギー
金属アレルギーを持つ方からすると、インプラント治療が可能かどうか疑問に思うかもしれません。

結論から言うと、金属アレルギーの方でもインプラント治療は実施可能です。
なぜなら、インプラント体はチタンで作られており、
金属アレルギーの原因となる金属(ニッケル・コバルト・水銀・パラジウム・クロムなど)は含まれていないからです。

ただし、非常に稀にアレルギー反応が生じ、
チタンがその原因であると確認された場合は、インプラントを取り出す必要があります。

●インプラントの除去方法
インプラント周囲炎などが原因でインプラントを取り出す必要が生じた場合、
同様に局部麻酔の下で外科手術が行われます。

骨の吸収が進行している場合は、軽く引っ張るだけで抜くことが可能ですが、
一般的には専用の器具を使用して取り出します。
インプラント体はねじの形状をしており、埋め込むときにはトルクをかけますので、
取り出すときには逆の回転をかけて取り出します。

なお、患部の状態によっては、一部骨を削ることもあります。

・インプラントの除去費用
インプラントの除去費用は、保険が適用される場合と、保険適用外(自由診療)の場合があります。

それでは、以下でそれぞれの項目について説明していきます。

・保険が適用される場合
インプラントを除去するための保険診療は、
インプラントを埋め込んだ歯科医院以外の施設で行わなければならないというルールがあります。
さらに、除去を行う前に必要なレントゲン画像も用意する必要があります。

通常、インプラント体の除去費用は保険点数で460点(4,600円)となります。
保険診療の場合、治療費の30%が患者負担となるので、約1,400円が実質の費用となります。

・保険が適用されない場合
保険が適用されない場合、すべての費用が自己負担となります。

ただし、歯科医院によっては保証制度を設けていることもあるため、
インプラント治療を行った医院に詳しく問い合わせてみてください。

・インプラント除去後の再手術は可能か?
インプラント除去について説明しましたが、
除去後に再度インプラント手術を行うことは可能なのでしょうか。
それは状況によります。可能なケースと、不可能なケースについて以下で説明します。

・再手術が可能な場合
インプラント手術を再度行うための条件は、
「除去の原因が解消されていること」です。

例えば、インプラント周囲炎の場合は、細菌感染部を取り除き炎症を治し、
インプラント体が壊れていた場合はその部分を取り除き、神経損傷の場合は感覚を回復させるなど、問題を解決する必要があります。

・再手術が不可能な場合
次に、インプラント除去後に再手術が不可能なケースをご紹介します。
基本的に、除去の原因が改善されていなければ、再手術は行えません。
たとえば、炎症がまだ治まっていない、歯ぎしりや噛み締める癖が改善されていない場合などが該当します。

・炎症が治まっていない
炎症や細菌感染がまだ改善していない場合に、新たにインプラントを埋め込むと、
再度インプラント周囲炎を起こすリスクが高まります。
そのため、再手術は治療後に計画されることが多いです。

・歯ぎしりや噛み締める癖がある
インプラント周辺の骨吸収が起きる一因として、インプラントに対する過度な負荷があります。
歯ぎしりや噛み締める癖がある人には特にこの問題が見られます。
これらの癖が改善されない限り、新たにインプラント手術を行っても、再度過度な負荷がかかる可能性があります。

・喫煙習慣がある
インプラント治療は、喫煙者にとっては難しいものとなります。
タバコを吸うことで血流が悪くなり、インプラントと顎骨の結合が遅れ、
口腔内環境が悪化して細菌感染のリスクが上がるなどの問題があります。

喫煙者が必ず再手術できないわけではありませんが、
インプラント埋入から除去、再手術の過程で喫煙を続けていた場合は、
喫煙習慣を改めることを検討してみてください。

●まとめ
今回は、インプラントの除去について説明しました。

除去の要因としては、インプラント周囲炎、インプラント体の破損、
インプラント体の迷入、神経麻痺、金属アレルギーなどが挙げられます。
インプラント除去には保険適用と保険適用外の2つのパターンがあり、
保険適用の場合、治療費は1本あたり約1,400円となります。
インプラントに関する問題でお困りの方は、この記事が参考になれば幸いです。

当院では、患者様にできるだけ負担の少ない治療を提供できるように、
最新治療を提供しております。失った歯を取り戻すため、インプラント治療は非常に優れた治療です。
一方で今回、お伝えしたようなリスクも存在します。これらをしっかりと認識頂くことが重要です。
また、当院では、インプラント治療に抵抗があったり、
骨がない・疾患などでインプラント治療自体ができないと断られた方でも対応できる最新治療を提供しております。

気になる方は以下もご覧ください。

【参考情報】
セカンドオピニオン受入について
詳細はこちら

失った歯を取り戻す。体へ負担のすくない治療 ヒューマンブリッジ
詳細はこちら

ヒューマンブリッジ 症例
詳細はこちら

治療については、ご不安な点も多いかと思います。
日野新町歯科医院では、しっかりとカウンセリングをおこなった上で診療をおこなっております。一度ご相談ください。

日野新町歯科医院
歯科医師 院長 飯嶋 幸弘

院長紹介
院長紹介はこちら

『ありがとうがあふれる病院』
『説明をしっかり理解していただける病院』を目指します。