インプラント、部分入れ歯、あるいは別の治療法?選択の際に把握しておきたい要点

日野市にある日野新町歯科医院 院長の飯嶋です。私は、患者様にできるだけ負担の少ない治療を提供しており、他医院ではあまりおこなっていないような、ヒューマンブリッジ・3DRといった最新の治療を提供しております。

【参考データ】
失った歯を取り戻す。体へ負担のすくない治療 ヒューマンブリッジ
ヒューマンブリッジ症例

今回のブログでは、天然歯と比較して、インプラント治療と入れ歯治療の違いを説明します。

◎正しく食事を楽しむための要素: 歯根の存在
・天然歯の場合
天然歯では、歯根が咬む力を分散します。歯根は骨に固定されており、歯根と骨の間には歯根膜が存在します。歯根膜はクッションのような働きをし、咬む力を調節します。

・部分入れ歯の場合
部分入れ歯には歯根が存在せず、欠損部分の歯肉や金具が支えることで咬む力を分散します。柔らかい歯肉のため、咬む際に部分入れ歯が下がることがあります。その結果、最大咬合力や食べ物を咬む効率は天然歯の約40%程度になります。

・インプラントの場合
インプラントでは、人工の歯根が咬む力を分散します。骨に直接固定されている人工の歯根は、咬む際に下がることがありません。また、骨との間には歯根膜がなく、最大咬合力は天然歯以上になり、食べ物を咬む効率も天然歯に比べて80%以上となります。

ただし、歯根膜がないインプラントでは咬む力の調節が難しく、他の歯を痛める可能性が存在します。

◎見た目を重視する場合、金属部分が見えないことがポイント
・部分入れ歯の場合
部分入れ歯は着脱可能で、口の中で保持するために金属製のクリップが必要となります。これらの金属色のクリップは入れ歯の見た目を損ねる可能性があります。

特別な装置であるビーチアタッチメントを用いることで、クリップを目立たなくすることも可能ですが、完全に見えなくすることは難しいです。

・インプラントの場合
インプラント治療では、天然歯の冠状部の治療と同様に、人工の歯根に冠を固定します。白い冠を用いることで、金属部分が見えず、自然な口元を維持できます。また、確実に咬むことにより口周りの筋肉も鍛えられ、アンチエイジングの効果も期待できます。

◎スムーズな会話を可能にする要素は、舌の動きを妨げない設計
・部分入れ歯の場合
入れ歯には、ピンク色の床という部分やクリップが必要となります。また、欠損部分が一方だけであっても、入れ歯の安定を図るために、反対側まで金属を引き延ばす必要があります。これらの装置が舌の動きを制限し、話すのが難しくなる原因となります。

・インプラントの場合
骨に埋め込まれた人工の歯根に冠を固定するインプラントでは、舌の動きを妨げるような不要な装置は一切存在しません。歯の形状や大きさは天然歯に近く、話す際の違和感がありません。

◎その他の重要な要素
●虫歯や歯周病への影響
・部分入れ歯
入れ歯自体は、虫歯や歯周病を発症しません。だが、留め金を掛ける歯や入れ歯が接触する歯には、汚れが蓄積しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、留め金にかかる過度な咬合力は歯を動かし、歯周病の可能性を増加させます。

・インプラント
インプラントは虫歯になりませんし、周囲の歯へのリスクも存在しません。ただし、感染を防ぐ歯根膜がないため、インプラント周囲炎(天然歯の歯周病に相当)のリスクがあります。

●治療の制約
・部分入れ歯
特筆すべき制約はありません。

・インプラント
インプラントは、歯が抜けた部分の骨の厚みが不足している人や、全身の病気(高血圧や糖尿病など)を抱える人は避けるべきです。

●メンテナンス
・部分入れ歯
部分入れ歯の場合、半年ごとに内面を一度削り、新しい材料を追加する必要があります。

・インプラント
インプラントには、3~6ヶ月ごとに、天然の歯と同じくクリーニングが必要です。

●費用
・部分入れ歯
部分入れ歯は、保険適用から非保険適用まで様々です。

・インプラント
インプラントは保険適用外です。

●必要期間
・部分入れ歯
約3週間を見込む必要があります。

・インプラント
下顎の場合は最短2~最大3ヶ月、上顎の場合は最短4~最大6ヶ月を見込む必要があります。
※費用や期間は、欠損歯の数や歯が抜けたタイミングにより変わることがあります。これらはあくまで参考のため、具体的な事情については担当歯科医師へ相談ください。

◎重要なのは、天然歯に近い経験を得ること。これが豊かな対話や美味しい食事へとつながります。

インプラントはその見た目や機能性が天然歯に近い状態を実現します。
インプラントの上部構造は、形状、大きさ、色などを天然歯に準じて製作可能です。留め金という入れ歯特有の構造がないため、金属部分が見えることはありません。また、入れ歯に伴う違和感もなく、自由に口を開けて笑うことができ、家族や友人との楽しい時間を過ごすことが可能です。仕事の場でも、会議やプレゼンテーションの際に、自己意識にとらわれずに積極的に発言できます。

さらに、実験データによれば、インプラントは天然歯と同等、あるいはそれ以上の咬合力を発揮し、咀嚼効率(物を噛み砕く効率や、一定の物をどれだけ速く咬めるか)は80%以上とされています(これに対して入れ歯は30~40%程度)。これは、食べ物をしっかりと咬むことができる、という意味です。

食べ物をしっかりと咬むということは以下のことを意味します。
消化吸収が良くなり、栄養をしっかりと取ることができ、全身の健康状態を向上させます。
食べ物から放出される味成分の量が増え、食事がより美味しく感じられます。
脳の活性化や顔の筋肉を鍛えることで、アンチエイジング効果も得られます。

◎現在の入れ歯に不満を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください
上記の通り、インプラントは非常に効果的な治療法です。
インプラントは機能的にも審美的にも天然歯に近い状態を実現し、日常生活で口元に意識を向ける必要がなくなります。当院でも、条件が整えば、入れ歯よりもインプラントの方が優れていると考えています。

しかし、インプラント治療にも制限が存在します。

骨が十分な厚みを持っていない方や、全身的な病気で手術が難しい方には、インプラント治療は適用できません。欠損歯が多い方には、安全性、長期的な結果、トラブルの少なさを考慮すると、入れ歯の方が適切な場合もあります。また、高額な治療費も選択の要素となります。

インプラントは最初の選択肢として考えますが、それはあくまで選択肢の一つです。

「インプラントにしたことで満足している方」
「インプラントにすることを検討したが、入れ歯の調整で満足した方」
「まずは入れ歯から始め、使用感によって判断する方」
など、人それぞれの状況があります。

当院では、患者様にできるだけ負担の少ない治療を提供できるように、最新治療を提供しております。失った歯を取り戻すため、インプラント治療は非常に優れた治療です。一方で今回、お伝えしたように誰でもできるという治療ではありません。これらをしっかりと認識頂くことが重要です。また、当院では、インプラント治療に抵抗があったり、骨がない・疾患などでインプラント治療自体ができないと断られた方でも対応できる最新治療を提供しております。

気になる方は以下もご覧ください。

【参考情報】
セカンドオピニオン受入について
失った歯を取り戻す。体へ負担のすくない治療 ヒューマンブリッジ
ヒューマンブリッジ 症例

治療については、ご不安な点も多いかと思います。日野新町歯科医院では、しっかりとカウンセリングをおこなった上で診療をおこなっております。一度ご相談ください。

日野新町歯科医院 
歯科医師 院長 飯嶋 幸弘
症例紹介

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